Linuxをデスクトップとして使うことを意識した情報集積Wikiです。主眼はデスクトップとして利用することですが、必要に応じて一部サーバー向けの内容も含むことがあります。

IT業界は人手不足

2017年8月現在、IT業界の人手不足は継続しています。色々と事情はあるのですが、きちんと若手を育てる態勢を業界として整えられていないことに最大の原因があると言えるでしょう。また、2000年代に散々騒がれたブラックさが未だに足を引っ張っていることもあるかもしれません。

何を持ちネタにするか考える

ITエンジニアと言っても色々な種類があり、大まかにジャンル分けしても
  • デベロッパー(ソフトウェア開発)
  • ネットワーク
  • サーバ
  • ストレージ
  • クラウド
  • データベース
などなど、種類があります。その中から自分が専門とするジャンルを選択し、その知識を深めて行く必要があるのです。IT業界は流行り廃りの移り変わりの速い世界ではありますが、それ故に専門とするジャンルを決めて最新のものを身につけて行くわけです。カテゴライズするとキリがない話でもありますので、ここでは上で列挙した種類について概要をまとめます。

デベロッパー

ソフトウェア開発を行う人々をデベロッパーと呼びます。ほとんどのIT業界に関係ない世界の方は、 ITエンジニアというとこれを想像することでしょう。デベロッパーの仕事は顧客の実現したい機能を文書化し、どうすれば実現できるかを考え、実際にそれを作り込むものです。既にあるものと連携させる工夫が必要だったり、とにかく効率よく機能を実行する必要があったりするかもしれません。
プログラム言語を操る仕事ではありますが、彼らは色々な言語を全部マスターしているわけではありません。どれか1つだけ得意なものを作り、他の言語が必要ならば得意な言語の知識を元にして理解して行くスキルが求められます。
「プログラム言語」「フレームワーク」「API」などの言葉は、彼らと結びつきが強いものです。

ネットワーク

ネットワーク全体の設計や配線、設定の作り込みを行うことのが多いですが、セキュリティに関する仕事もあります。万が一ネットワークに攻撃者が入り込んでしまった場合、配線を抜いたり機器を隔離したりして対応できるのは彼らなのです。
必要な通信経路を作り出し、そのお守りをする彼らはエンタープライズにいなくてはならない存在です。企業規模が大きくなればなるほど、ネットワーク専任エンジニアの人数は増えて行く傾向にあります。
「TCP/IP」「インテリジェントスイッチ/ルータ」「ロードバランサ」という言葉は、日々彼らが向き合っている技術そのものと言えます。

サーバ

デベロッパーが作り出したソフトウェアを動かす機材を選定し、設置し、動作環境を整えてお守りをするエンジニアが彼らです。特にこのWikiで説明しているLinuxを高度に使いこなせる能力が求められる人々であり、サーバエンジニア無くして安定的にシステムを稼働させるのは困難と言えます。
しかし、サーバだけを専門としている技術者はそう多くありません。大抵はネットワークとストレージの知識も要求されるため、位置付けとしては「サーバがメインでネットワークとストレージもいけます」という感じでしょうか。
「ラックマウント/ブレード」「スケーリング」「可用性」といった言葉は、彼らと語る上で必ず話題になります。

ストレージ

あらゆるデータを保存するための機器は「ディスク」と家庭では言いますが、エンタープライズでは「ストレージ」と呼びます。企業のデータは簡単に消えるような場所に保存するわけには行きませんが、人間の作ったものであることには変わりないので保存先ストレージは必ず壊れます。
彼らは「どうすればストレージが壊れてもデータを失わずに済むか」を特に重要視し、データを保護するためあらゆる手段を施すのですが、ストレージ専任エンジニアは中小企業ではなかなか会えません。理由は単純で、ストレージ機器は非常に高価故に導入できる企業が少ないからです。
「RAID」「ファイバチャネル」「冗長化」などは、まさしく彼らの仕事を象徴する言葉と言えます。

(インフラ)

ネットワーク、サーバ、ストレージの知識をバランスよく備えた人々をインフラエンジニアと呼ぶことがあります。幅広い知識を要求されますが、一度この段階に到達するとソフトウェア以外の企業ITインフラをほとんど理解できるようになります。時代の移り変わりというものの影響か、次の項目で述べるクラウドの知識を持っている人も多いです。

クラウド

クラウドプラットフォームの扱いを得意とするエンジニアで、日本では特にAWSやAzure、Google Cloud使いのことを指します。役割としてはサーバエンジニアに近いですが、「機材の調達がない」「プラットフォームの特徴をよく理解している」という点が根本的に異なります。
普通、企業がIT機器を調達する場合は発注から納品まで1ヶ月かかることは少なくありません。もしかすると国際情勢の影響で、それ以上遅れるケースもありえます。しかしクラウドプラットフォームにはそんなこと関係がなく、すでに用意されている膨大なリソースを切り出して提供してもらうので瞬時に調達が完了してしまうのです。調達の仮想化みたいなものですね。
「Design for Failure」「マネージドサービス」「オンデマンド」といった言葉は、特に彼らが日々検討するものを指します。

データベース

データベースエンジニアは、デベロッパーの開発するソフトウェアが如何に素早くデータを獲得できるかに非常に強く影響します。例えば古くからあるリレーショナルデータベースは数学的に確立された理論であり、関係代数と呼ばれる数学理論が背景にあります。その理論に基づいた正しい設計を行えば、ソフトウェアは素早くデータを獲得できることでしょう。もちろん、そうでないならば速さというものを期待できることはありません。
効率良くデータを検索し、ソフトウェアに提供する仕組みを考え、作ることが彼らの仕事です。大規模で複雑なソフトウェアを開発するならば、必ず必要なエンジニアと言えるでしょう。
「正規化」「ER図」「SQL」などの言葉は、まさしく彼らが第一線で用いるものです。

日々が勉強

ITは進歩が著しく速い世界ですので、どうしても日々勉強が必要になります。これはどのタイプのエンジニアでも同じであり、新しいものが世に出てきたらそれを知り、理解し、使いこなせるようになることが求められます。
1つ理解したからといって、それで終わってしまっては生き残れません。そういう世界なのです。IT業界を「華やか」と表現する人は少なからずいるのは事実ですが、実際はコツコツと勉強するエンジニアほど高い技術力を持っている...ということです。

初めの一歩

何をネタにするか決めたら、次は「素人でも受け入れてくれる会社を探す」です。前述の通り、IT業界は人手不足ですので素人歓迎の会社は割と多いと言えます。重要なのは「ちゃんと素人を一人前に育てられるだけの環境があるか」「十分な時間をもらえるのか」という点でしょう。いくら人手不足だからと言っても、入社して勉強させてもらえないことには技術者になることなんで無理です。もちろん、企業は勉強する場所ではありません。ですが素人を募集するということは、勉強させる前提であることは当然の話です。なので、環境と時間が確保できていないような企業では遅かれ早かれ自分が潰れてしまいます。判断基準は人それぞれではありますが、目安は「エンタープライズIT機器を勉強用に持っていて、必要時に触れるか」「勉強期間が1ヶ月以上あるか」「勉強であっても仕事として捉え、給料が出るか」「IT資格を取らせるならば、十分なノウハウや勉強時間、教材が提供されるか」です。当然の話、仕事なのですから必要な環境は整えてもらわないといけません。

まとめ

ざっくりですが、
  • 何を自分の専門として行くか
  • 素人を一人前に育て上げる覚悟と制度のある会社を探す
の2点が最初は最も重要と言えましょう。前者は自分のエンジニアとしての方向性を定めるもので、後者は方向性を実現するための手段なのです。

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