「Linuxとは」のページで記載したことよりももっと正確にLinuxについて考えてみましょう。Linuxという言葉で思い浮かべるものは何でしょうか。ペンギンのロゴや赤い帽子、あるいはGUIのX Window Systemをイメージする人がいるかも知れません。実はそのどれもがハズレであり、Linuxという言葉はカーネルという中核部分を指す言葉です。しかしカーネルだけでは人間が使用するのには適した状態にはなってくれません。インストールすることは出来たとしても、それを呼び出すソフトウェア(ブートローダ)やユーザの要求を受け付けるソフトウェア(シェル)、要求を処理する各種ソフトウェア(cpやviなど色々)などが無ければ使用には適さないのです。
英語でDistributionとは配布や流通という意味ですが、Linuxのディストリビューションも似たような意味を持ちます。日本語としてわかりやすく解釈するのであれば、「1つの配布形態」とでも言えるでしょう。前述のようにLinuxとはカーネルを指す言葉であり、それ単体では使用に適しません。そのため使用に適する状態になるよう、必要なソフトウェアをひとまとまりにして配布されています。このまとまりをディストリビューションと呼び、無数の種類が存在するのです。
細かい種類や特徴は別ページで記述しますが、その種類自体は無数に存在します。と言うのも、このディストリビューションというまとまりは個人でも自作することが可能なのです。これが一般的なOSの配布形態とは一線を画しているところであり、例えばWindowsやMac OS Xに「個人が作ったソフトウェアセット」的なものは通常存在しません。ありえるのはPCメーカが独自に余計なソフトウェアを搭載した残念な配布形態であり、これはMSなどがOEM提供時のライセンスとして許諾しているからなのでしょう。
あえてこのような表現をしているのは理由があります。PCを購入して起動したら、使いもしないウイルスバスターやノートンのソフトウェアが入っていた経験はあるでしょうか。既に使いたいセキュリティソフトが決まっている場合これらは単なるゴミで、PCの動作を重くすることとユーザにアンインストールの手間を増やすだけの障害物に過ぎません。PCメーカはそれらソフトウェアのメーカから利益を受け取っているんでしょうが、こういうことはユーザのことを本当に考えた結果とは言えません。ヨーロッパ版Windowsのように、インターネットブラウザを複数から選択できるような画面を用意することがユーザのことを考えたと言える形でしょう。
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